緑茶

【深蒸し茶】鹿児島県のブランド緑茶、知覧茶の特徴とは【おすすめ】

みなさんは「知覧茶」という緑茶をご存知でしょうか。

「知覧茶」は、鹿児島県南九州市で生産されているブランド緑茶です。

知覧茶は、静岡の静岡茶や京都の宇治茶、福岡の八女茶などと並ぶ代表的な日本茶です。

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実は鹿児島県は、市町村単位では日本第1位の生産量を誇る、日本でも有数の緑茶の生産地となっています。

鹿児島県は、桜島の火山灰によって水はけがよく豊かな土壌が整っています。

また、1年を通して温暖な気候と豊富な日照があるなど、良質なお茶を生産する条件が揃っています。

そして、豊富な日照で育った知覧茶には緑茶カテキンも多く含まれています。
緑茶カテキンの効果については、以下の記事をご覧ください。

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今回は、そんな鹿児島県を代表するブランド緑茶”知覧茶”の歴史や特徴、おすすめの品種などをご紹介します。

知覧茶の歴史

「知覧茶」の歴史は古く、約350年ほど前まで遡ります。

日本で最初にお茶の栽培が始まったのは、鎌倉時代の僧「栄西」が中国からお茶の種を持ち帰ったのが始まりと言われています。

その後、日本各地でお茶の栽培が始まり、現在の日本の茶文化が築かれました。

以前は「知覧茶」以外にも、「川辺茶」、「頴娃茶(えいちょうちゃ)」というブランドがありましたが、現在は全て「知覧茶」に統一されています。

3つのお茶のブランドの始まりは以下の通りです。

川辺茶:1659年
頴娃茶:1836年
知覧茶:1872年

最も歴史の古い「川辺茶」は、江戸御用としてお茶が献上されたこともあるくらい、当時から上質なお茶として有名でした。

その後、2007年に各ブランドの生産地である「川辺町」「頴娃町」「知覧町」の3地域が「南九州市」として統合され、ブランドの名称も「知覧茶」に統一されました。

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知覧茶の特徴

次に知覧茶の特徴を紹介します。

品種

鹿児島県で生産している知覧茶の品種は以下の通りです。

やぶきた:約40%
ゆたかみどり:約30%
その他:約30%

日本全国で栽培されているお茶の約7割をやぶきたが占めていることを考えると、鹿児島県の栽培品種の比率は全国的に見ても珍しいです。

「やぶきた」「ゆたかみどり」のほかに、「さえみどり」や「あさつゆ」、「おくみどり」といった品種も栽培されています。

知覧茶は「深蒸し」と呼ばれる、長蒸しの製法で作られるのが主流です。

お茶の渋みは控えめで旨味が強く、濃い緑色とまろやかなコクが特徴です。

また、一般的な茶葉に比べて茶葉が細かいため、入れたお茶に細かい茶葉が交じります。

そのため、本来はお茶に溶け出さず茶葉に残っている栄養成分も、まとめて摂取することができます。

深蒸し茶の詳しい解説については、こちらの記事をご覧ください。

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値段

知覧茶の値段はピンからキリまであるので、知覧茶にチャレンジしてみたい方、高級なお茶を飲んでみたい方のそれぞれのニーズに合ったものが見つかります。

日常的に飲むものであれば100gあたり600円、高級なものであれば100gあたり2,000円超のものもあります。

特に、知覧茶のなかでも幻のお茶と呼ばれる「後岳(うしろだけ)」は、100gあたり1,500円前後となっており、贈答品としても重宝されています。

新茶の時期

知覧茶の新茶は、早いものであれば3月下旬ごろから出回り始めます。

一般的には、新茶が出回るのは4月に入ってからが多いです。

九州で最も南に位置する鹿児島県は、気温の上昇が早いため、ほかの地域よりも新茶が早く出荷されます。

このような早い時期の新茶を「走り新茶」と呼びます。

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知覧茶の美味しい入れ方

知覧茶を美味しく入れるポイントは、次の3つです。

水道水を3分ほど沸騰させ続ける
沸かしたお湯を軽く冷ます
温めた急須に茶葉とお湯を入れ30秒ほど待つ

まずは、水道水を3分ほど沸騰させ続けます。

こうすることで、水道水に含まれるカルキが抜け、お茶本来の味や香りを楽しむことができます。

次に、沸かしたお湯を軽く冷まします。

普段使いのお茶であれば85〜90℃、高級な煎茶は70℃くらいがおおよその目安です、

お湯が冷めるまでの待ち時間、急須と茶碗にお湯を注いで、茶器を温めておくのも良いでしょう。

温めた急須に茶葉(2〜3人分で茶葉6〜9gが目安)とお湯を入れ、30秒ほど待ちます。

最後に、温めた茶碗にお茶を注いでいきます。

このとき、急須にお茶を残さないように、最後の一滴まで注ぎ切るようにしてください。

初めて知覧茶を飲まれるという方は、まずこの入れ方を試したあと、好みに応じて茶葉の量や抽出時間を調節していただければと思います。

茶器を持っていない、どんな急須を買ったらいいのか分からないという方にはこちらの記事もおすすめです。

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また、「本格的な緑茶を手軽に楽しみたい」という方は、水にも溶ける粉末タイプの緑茶もありますので、どうぞお試しください。

茶葉をまるごと取れる粉末煎茶「さらっと」

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おすすめの知覧茶

おすすめの知覧茶を、品種ごとにご紹介します。

やぶきた

お茶に詳しくない方でも、「やぶきた」という名前は一度は聴いたことがあると思います。

「やぶきた」は、日本で生産されている緑茶の約7割を占めており、日本で最も生産量が多い品種です。

お茶としての品質に総合的に優れており、濃厚な甘みと優雅な香りが特徴の緑茶です。

ゆたかみどり

鹿児島県を代表する品種が「ゆたかみどり」です。

2008年に開催された洞爺湖サミット(第34回主要国首脳会議)では、ゆたかみどりの緑茶が各国の首脳に振る舞われ、その味に舌鼓を打ちました。

微かに香るさつまいものような甘い香りと、スッキリとした口当たりが特徴の緑茶です。

あさつゆ

「あさつゆ」は、天然玉露とも呼ばれるほど濃厚な旨味が特徴の品種です。

香りも上品で苦味も少ないため、お茶の苦味が苦手な方でも飲みやすくなっています。

また「あさつゆ」は、入れたお茶の色が美しいことでも有名な緑茶です。

さえみどり

”やぶきた”と”あさつゆ”を交配して誕生した品種が「さえみどり」です。

昨今の高級茶の代名詞ともなっている品種で、日本茶アワード等の品評会でも多数入賞しています。

しっかりとしたコクのある旨味と強い甘み、そして「さえみどり」という名前の通り、冴えた鮮やかな緑色の水色が特徴です。

お値段は、やぶきたやあさつゆと比べると多少高価ですが、その価値は十二分にあるお茶です。

また、様々な品種を飲みくらべしてみたいという方には、「ゆたかみどり」「あさつゆ」「さえみどり」の飲みくらべセットもありますので、どうぞお試しください。

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まとめ

今回は、鹿児島県のブランド緑茶「知覧茶」について詳しく紹介しました。

知覧茶はやぶきた以外にも、多くの品種を栽培しているめずらしいブランドです。

また、知覧茶はほとんどが手間をかけた深蒸し茶であり、そこから生まれるまろやかなコクと旨味がファンを惹きつけています。

「知覧茶」を飲んだことがないという方は、この機会にぜひ試してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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