生活の豆知識

下水道のあの匂いの原因は

こんにちは、ぺんりるです。

どこの地域にもあるあまり綺麗ではない川、いわゆるドブ川ですが暖かい季節になるとあの独特なにおいが特に強くなってきますよね。

あの腐敗臭のようなにおいの原因は一体なんなのか、今回は書いていきたいと思います。

どうしてこんな記事を書いているかというと、私の家の近所のドブ川が最近やたら臭いからです(笑

 

においの原因は硫黄

温泉などに含まれている腐った卵のようなにおいと言われる硫黄がドブ川のにおいの原因です。そう言われてみるとたしかに硫黄のにおいに似ていますよね。

じゃあ川の下から温泉が湧き出ているのかというとそんなことはないです。

これは水中にいる嫌気性細菌が原因として挙げられます。嫌気性細菌は私たちの内臓の中にもいる身近な細菌の1つです。

では、においが発生する仕組みについてさらに調べてみましょう。

 

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硫黄は食べ物に含まれている

ドブ川のにおいの原因が硫黄といっても、私たちや住んでいる方々が直接硫黄を川に流し込んでいるわけではありません。

においの原因の硫黄は主に食べ物の中に含まれています。

先ほども言った”卵の腐った匂い=硫黄”ですが、ではなぜ卵が腐ると硫黄のにおいがするのでしょうか。

答えは卵の中にも硫黄が含まれているからです。

他にもご飯や玉ねぎ、らっきょうなどにも多くの硫黄化合物が含まれています。このように私たちの食べ物には、硫黄化合物が含まれているものが多くあります。

こうした食べ物の残りが下水に流入して、水中に大量の硫黄化合物が蓄積されるのです。

 

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嫌気性細菌は酸素がいらないすごい奴

通常、汚れた水を川に流すと水中のプラクトンや魚が栄養分としてそれを摂取し別の物質に変わるため、川が極端に汚くなることはないです。これが自然の浄化作用と呼ばれるものです。

水中のプランクトンや魚が栄養分を摂取するとき、同時に酸素が必要になるのですが、汚れた水が大量に川に流入すると供給される栄養分に対して酸素が足りなくなってしまいます。

しかし、硫黄のにおいの原因である嫌気性細菌は酸素がなくても生きていけるんですね。

私たち人間は酸素を吸って栄養分を燃やすことで活動するため、生きるためには酸素が必要と考えがちですが、実は生物が生きるために必要なのは酸素ではなく熱(エネルギー)です。

このため、酸素がない環境でも熱が生み出せる嫌気性細菌は繁殖することができるんですね。

 

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嫌気性細菌の活動が硫黄のにおいの原因

嫌気性細菌は下水の中に含まれている硫黄塩という物質を分解して熱を得ています。この化学反応が起こる時に硫化水素というガスが発生するため、これが悪臭の原因となります。

ちなみに硫化水素は有毒なため十分注意が必要です。マンホールの中などの密閉空間で大量に吸い込んでしまうととても危険です。

でも、酸素がなくても活動ができる細菌ってすごいですよね。仮に地球上から酸素がなくなって人間がいなくなっても、細菌たちは生きていると思うと神秘的ななにかを感じます。