緑茶

緑茶の生産量 日本第3位!知られざる三重県『伊勢茶』の特徴とは

皆さんのなかに、三重県の『伊勢茶(いせちゃ)』をご存知の方は居りますでしょうか。

もしご存知の方がいたら、それはかなりの緑茶通です。

ぺんりる
ぺんりる
三重県は伊勢海老や松坂牛が有名だよね

実は三重県は、静岡県、鹿児島県に次ぐ緑茶の生産量日本第3位のお茶どころです。

今回は、そんなお茶どころ三重県のブランド緑茶「伊勢茶」の味や特徴について、解説していきます。

【この記事はこんな人向け】

  1. 伊勢茶の歴史を知りたい
  2. 伊勢茶の味や特徴、おすすめを教えてほしい

緑茶選びに悩まれている方には、こちらの記事もおすすめです。

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伊勢茶とは

伊勢茶の歴史

お茶の文化は、奈良・平安時代に仏教修行の僧侶たちによって中国から伝わってきました。

その後、鎌倉時代に入るとお茶の栽培方法や製茶の仕方が日本全国に広がっていき、お茶の栽培に適した気候の三重県でも栽培が始まったといわれています。

ぺんりる
ぺんりる
三重県の気候はお茶の栽培に適した場所なんだね!

そして室町時代から江戸時代には、御師(おし)や伊勢商人が伊勢茶を日本全国に広めました。

【御師】
御師とは、特定の寺社に所属して、その社寺へ参拝者を案内し、参拝・宿泊などの世話をする者のことである。

出典:Wikipedia

明治時代初期には、三重県の茶園面積は4,000ha以上あり、お茶の産地として有名な静岡県より広かったといわれています。

ぺんりる
ぺんりる
明治のころは静岡の茶園より広かったんだね

しかし、現代では静岡茶や宇治茶と比べて、伊勢茶の知名度は高くありません。

その原因は第二次世界大戦後、緑茶栽培の立て直しがほかの産地と比べて遅れてしまったためです。

近年では、日本でのかぶせ茶の生産量第1位アイスクリームなどに用いられる加工用原料茶のシェア第1位など、再び伊勢茶の存在感が高まってきています。

伊勢茶の特徴

伊勢茶は、お茶の栽培に適した土壌で育てられるので、全体的に茶葉が肉厚で緑茶本来の味が強く出るのが特徴です。

また、収穫は二番茶となる年2回までしか摘採(てきさい)しないため、若い芽特有の清々しい香りを感じることができます。

ぺんりる
ぺんりる
茶葉は年に4〜6回摘み取るのが一般的だよ

三重県は南北に細長い形をしていて、西には鈴鹿山脈や大台ヶ原山地、東には伊勢湾や太平洋など、豊かな自然と地形に恵まれています。

そのため、三重県内各地で特色あるお茶が生産されており、特に県北部では「かぶせ茶」県南部では「深蒸し茶」が有名です。

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伊勢茶はかぶせ茶の生産量1位

三重県の伊勢茶は、かぶせ茶の生産量日本第1位としても知られています。

かぶせ茶(冠茶)とは、ワラや寒冷紗(かんれいしゃ)などで1週間前後茶葉を覆い、日光を遮る被覆栽培によって育てたお茶です。

ぺんりる
ぺんりる
かぶせ茶は手間がかかるんだね

茶葉を被覆栽培によって育てる方法は「玉露」が有名ですが、日光を遮る期間がかぶせ茶は1週間前後なのに比べて、玉露は20日前後と長くなっています。

そのため、かぶせ茶は玉露ほどの甘みの強さはありませんが、被覆栽培によって光合成がほとんど行われないことでうまみ成分であるテアニンが増加しているので、豊かなうまみのある緑茶になります。

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伊勢茶の味

伊勢茶は茶葉が肉厚なこと、そして被覆栽培によってうまみ成分であるテアニンが豊富に含まれているため、濃厚な渋みと清々しい香りが特徴です。

そのお茶の主張の強さから、伊勢茶の味と香りは三煎目(3回目に入れるお茶)まで変わらないともいわれています。

ぺんりる
ぺんりる
伊勢茶は味と香りがとても強いんだね!

また伊勢茶は、県内で「かぶせ茶」と「深蒸し茶」をそれぞれ作っているので、飲み比べて味の違いを楽しむこともできます。

緑茶特有の渋みと甘みを味わいたい人は「かぶせ茶」スッキリとしてライトな味わいの緑茶が好きな人は「深蒸し茶」を選ぶと良いでしょう。

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おすすめの伊勢茶

中森製茶

中森製茶は、自らの茶園で育てたお茶の葉を、自家工場で加工して販売している自園自製の茶農家さんです。

製茶を手作業で行う「手もみ茶」にも力を入れていて、数量限定ではありますがオンラインショップで買うこともできます。

ぺんりる
ぺんりる
製茶作業は機械がやっているところがほとんどだから、手もみ茶は貴重なんだ

また、あえて深蒸しにしないことで、茶葉が本来持つ渋みやうまみを最大限生かすお茶を作っています。

おすすめは濃厚な香りとうまみが特徴の「特選 かぶせ茶」です。

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伊勢茶の美味しい入れ方

伊勢茶に限らずですが、緑茶を水道水で入れるときはカルキ抜きが特に重要です。

まずは水道水を5分ほど沸騰させてカルキを抜きましょう。

【かぶせ茶の入れ方】

  1. 茶葉(一人前約3g)を急須に入れる
  2. 60℃程度に冷ましたお湯を急須に注ぐ
  3. 3分程度蒸らした後、茶碗に注ぐ

【煎茶の入れ方】

  1. 茶葉(一人前約3g)を急須に入れる
  2. 70〜80℃程度のお湯を急須に注ぐ
  3. 1〜2分程度蒸らした後、茶碗に注ぐ

「かぶせ茶」と「煎茶」で入れ方がそれぞれ異なりますのでお気をつけください。

かぶせ茶はぬるま湯で長く蒸らし煎茶は熱めのお湯で軽く蒸らすのがポイントです。

ぺんりる
ぺんりる
お茶の種類によって入れかたが違うんだね

二煎目、三煎目も楽しみたい場合には、茶葉を蒸らす時間を少し短めにすることで茶葉の開きを調整できるので、何度でも美味しいお茶を飲むことができます。

また、急須のお茶は最後の一滴まで出し切るのが大切です

お茶は最後の一滴に旨味が凝縮していて、お茶の味は最後の一滴で決まるともいわれています。

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まとめ

最後に、伊勢茶のポイントをまとめます。

要点まとめ

お茶の生産量第3位の三重県は茶葉の栽培に適した気候
南北に細長い形の三重県は、豊富な水と土壌に恵まれている

茶葉が肉厚で味が濃厚
伊勢茶は味が濃く、被覆栽培により茶葉のテアニンが豊富なためうまみも強い

地域ごとに違う製法のお茶を作っている
県北部のかぶせ茶、県南部の深蒸し茶をそれぞれ飲み比べるのも楽しい

最後までお読みいただきありがとうございました!

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