緑茶

空海より伝えられたとされる由緒あるお茶!奈良県の『大和茶』の特徴を解説

東大寺の大仏や奈良公園のシカなど、観光地として有名な奈良県ですが、実は日本でも有数のお茶の産地であることご存知でしょうか。

奈良県で作られる『大和茶(やまとちゃ)』は、朝晩の寒暖差がはげしく、ミネラル豊富な土で育てられた良質なお茶として知られています。

ぺんりる
ぺんりる
寒暖差がはげしいと美味しいお茶ができるよ!

また大和茶は、弘法大師 空海が中国からお茶の種を持ち帰り伝えたともいわれている由緒あるお茶です。

今回は、そんな奈良県のブランド緑茶である「大和茶」の味や特徴について、詳しく解説していきます。

【この記事はこんな人向け】

  1. 大和茶の歴史を知りたい
  2. 大和茶の味や特徴、おすすめを教えてほしい

緑茶選びに悩まれている方には、こちらの記事もおすすめです。

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大和茶とは

大和茶の歴史

大和茶は、大同元年(806年)に弘法大師 空海が唐(今の中国)から持ち帰り、奈良で栽培をはじめたといわれています。

お茶は仏教とも深く関わっていたことから寺院を中心に日本中に広がり、室町時代には奈良出身の茶人、村田珠光(むらたじゅこう)によって茶の湯の精神の「侘茶(わびちゃ)」が誕生しました。

ぺんりる
ぺんりる
侘茶(わびちゃ)は茶道の源流ともいわれているよ

侘茶(わびちゃ)は、簡素簡略の境地である「わび」の精神を重んじた様式で、それまでの書院における豪華な茶の湯とは真逆の様式で、安土桃山時代に流行した後に千利休が完成させた茶の湯です。

時は流れて明治時代になると、ならでは当時生糸と並んで輸出産業の花形とされた紅茶作りが盛んになり昭和35年(1960年)ごろまで奈良市には紅茶工場がありました。

ぺんりる
ぺんりる
緑茶の茶葉を発酵させると紅茶になるよ!

その後、昭和46年(1971年)になると紅茶の輸入が自由化されたことで奈良での紅茶の生産は減少し、現在は緑茶を多く生産しています。

大和茶の特徴

大和茶の主な生産地域である、奈良県東北部の大和高原一帯は標高200〜600m、平均気温13〜15℃、降雨量1,500mmの山間冷涼地です。

そのため、茶葉の生育スピードはとてもゆっくりなので香りの成分が凝縮しやすく、とても香り高いお茶になります。

ぺんりる
ぺんりる
ゆっくり育てることで香り高いお茶になるんだね

また大和茶は、煎茶や荒茶だけではなく、茶葉を焙煎して作るほうじ茶(焙じ茶)も有名です。

栽培している品種には、全国的な「やぶきた」や「おくみどり」以外にも、奈良県の在来種をもとに品種改良した「やまとみどり」があります。

ほうじ茶が有名

大和茶を焙じて作られるほうじ茶は有名ですが、そもそもほうじ茶が誕生したのは昭和初期といわれています。

一般庶民に緑茶が広まったのが江戸時代ごろなので、ほうじ茶は比較的新しい製法といえます。

1929年にアメリカで起きた世界恐慌の影響によって、日本でも1930〜1931年にかけて経済が危機的な状況となる「昭和恐慌」が起きました。

ぺんりる
ぺんりる
アメリカで起きた恐慌が日本にも影響したんだね

【世界恐慌】
世界恐慌、大恐慌とは、1930年代にアメリカを皮切りに世界的に起こった深刻な経済恐慌のことである。大恐慌の時期は国によって異なり、ほとんどの国では1929年に始まり、1930年代後半まで続いた。それは20世紀の中で最も長く、最も深く、最も広範な不況であった。(出典:Wikipedia

昭和恐慌による不況によってお茶が売れず、お茶屋さんは大量の在庫を抱えてしまいました。

当時はお茶の保存技術が無かったので、余ったお茶は処分するしかありません。

そんなとき、とある京都の茶商が

京都の茶商
京都の茶商
茶葉を焙煎すれば日持ちするのでは

このひらめきによって誕生したのが、現在のほうじ茶といわれています。

ちなみに、開封してしばらく経った緑茶は、自宅のフライパンでほうじ茶にすることもできるのでおすすめです。

出来立てのほうじ茶は、市販のものより香りが立っていて美味しいですよ。

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大和茶の味

大和茶を栽培している大和高原一帯は、年間を通して涼しく茶葉がゆっくり育つので、香り高いお茶を作ることができます。

また、大和高原一帯は日照時間が短く昼夜の寒暖差も大きいので、昼間の光合成によってできた糖類が茶葉に蓄積していく、ゆたかな甘みのある茶葉になります。

奈良県の在来種をもとに品種改良した「やまとみどり」は、日差しを遮る遮光栽培をしなくても深緑色の茶葉育つことから天然玉露ともいわれている。

ぺんりる
ぺんりる
玉露は日光が当たらないようにして育てないといけないんだ
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やまとみどりは育つスピードがゆっくりなため「幻のお茶」とも呼ばれていて、玉露のような美しい鮮緑色と豊潤なうまみが特徴です。

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おすすめの大和茶

月ヶ瀬健康茶園

月ヶ瀬健康茶園は、奈良市の月ヶ瀬で有機栽培のお茶を育てている茶農家さんです。

お茶の栽培から販売まで、自分たちで一貫して行っていて安心・安全なお茶作りを常に心がけています。

新茶や煎茶はもちろんのこと、ほうじ茶や紅茶も販売していますので、大和茶を飲んでみたいという方にはぜひおすすめです。

また、数量限定で幻のお茶「やまとみどり」を販売することもありますので、気になる方はこまめにチェックしてみてください。

月ヶ瀬健康茶園

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大和茶の美味しい入れ方

大和茶に限らずですが、緑茶やほうじ茶を水道水で入れるときはカルキ抜きが特に重要です。

まずは水道水を5分ほど沸騰させてカルキを抜きましょう。

【煎茶の入れ方】

  1. 茶葉(一人前約3g)を急須に入れる
  2. 70〜80℃程度のお湯を急須に注ぐ
  3. 1〜2分程度蒸らした後、茶碗に注ぐ

【ほうじ茶の入れ方】

  1. 茶葉(一人前約5g)を急須に入れる
  2. 沸騰したお湯を急須に注ぐ
  3. 30秒程度蒸らした後、茶碗に注ぐ

「煎茶」と「ほうじ茶」では入れ方がそれぞれ異なりますのでお気をつけください。

煎茶は熱めのお湯で1〜2分程度蒸らし、ほうじ茶は熱湯を注いで軽く蒸すのがポイントです。

ぺんりる
ぺんりる
お茶の種類によって入れ方が違うんだね!

二煎目、三煎目も楽しみたい場合には、茶葉を蒸らす時間を少し短めにすることで茶葉の開きを調整できるので、何度でも美味しいお茶を飲むことができます。

また、急須のお茶は最後の一滴まで出し切るのが大切です

お茶は最後の一滴に旨味が凝縮していて、お茶の味は最後の一滴で決まるともいわれています。

まとめ

最後に、大和茶のポイントをまとめます。

要点まとめ

大和茶は空海から伝えられた歴史あるお茶
大和茶の歴史は古く、奈良出身の村田珠光によって侘茶(わびちゃ)が誕生した

大和茶の生産地である大和高原はお茶の栽培に最適
一年を通して涼しく、昼夜の寒暖差がある気候が香り高い茶葉を育てる

奈良特産の品種「やまとみどり」は中々お目にかかれない幻のお茶
特産品種である「やまとみどり」は、その色と美味しさから天然玉露ともいわれている

最後までお読みいただきありがとうございました!

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